被災地の子供たちへの心のケア支援について

“鯉のぼりプロジェクト”の開催

本支援のきっかけ

東日本大震災が発生した直後に代表も含む心理カウンセラー10数名で被災地へボランティアに向かいました。
現地で避難所での傾聴活動や復旧のための泥かきなどを行う予定だったのですが、活動を行うために現地のNPO法人と情報連携をしている際に被災された皆さんからの要望として、「子供たちのために鯉のぼりをあげてあげたい」という声が挙がっているというお話を伺いました。
「津波で全てを流されてしまった・・・」 毎年子供たちや孫たちのためにあげている「鯉のぼり」も全てなくなってしまった。だから、せめて「鯉のぼりをあがっている姿を見せてやりたい」という切なる声でした。

【画像】こいのぼりプロジェクト‗2015年度集合写真使う

あたたかい周りの皆さんのご支援

現地に向かう2週間前という時期に、多くの「鯉のぼり」を確保することは容易ではありません。資金的な問題もありました。 ソーシャルメディアを通じて、支援を求めましたが、用意できたのは数個・・・。現地からの要望は「3~5か所での設営」でしたので、とても数が足りません。
そんなときに「救いの手」を差し伸べてくれたのは、ある行政の担当者様でした。

毎年、多くの「鯉のぼり」吹き流しているイベントがあり、震災が起きてしまったその年は、イベント開催が自粛されたことを聞いた私たちは、「鯉のぼりを貸していただけないか」とお願いするため、その地域の行政に連絡を取りました。 その行政の担当者様は「誰が貸したかは明かさないこと」を条件にイベントを主催している商工会の方をご紹介いただき、無事お貸いただけることになりました。

被災地の皆さんからのご要望に応えるため、100旒(リュウ)近い鯉のぼりを携えて、最初の支援地である南三陸町へ向かいました。

“鯉のぼりプロジェクト”の実現へ

震災直後の2011年のGWに、最初の「鯉のぼりプロジェクト」は実施されました。 場所は南三陸町の歌津地域。4か所の避難所に「鯉のぼり」を設置することになりました。

【画像】こいのぼりプロジェクト‗2015年度外で上げている

翌2012年には新たに福島県相馬市のNPO法人「はらがま朝市」さんからご要望をいただき、前年と同じく南三陸町の歌津地域と2地域での開催となりました。
2013年には南三陸町の復興が進み、鯉のぼりをあげる場所を用意することが難しくなったという理由から支援を一旦止め、以後は福島県相馬市への支援のみとなり、現在では、 「みなと保育園」でのイベントとして、毎年継続して開催しております。

【画像】こいのぼりプロジェクト‗2015年度バルーンjpg

鯉のぼりをあげたいという地域の方へ

私たちは震災が発生してから、被災地を毎年訪れ、活動を続けています。
古来より「子供の成長」を願い、天高く揚げられてきれてきた鯉のぼり・・大空を雄大に泳ぐ姿に子供ならずとも、大人たちでさえ勇気づけられます。

少しでも子供たちに夢と希望を持ってもらうため、私たちはその地域の仮設住宅や保育園で鯉のぼりをあげる活動を続けてきました。
これからの未来を担う子どもたちのため、またそれを支える大人の皆さんのお手伝いをするため、私たちはこの活動を続けていきます。

街から瓦礫は撤去され、道路も綺麗になった今でも、被災された皆さんには深い心の傷が残ったままなのかもしれません。
それが少しでも癒えるなら・・・そんな気持ちで活動をしています。
もし、ご要望があれば、どこへでも鯉のぼりを持って伺います!お気軽にお申しつけください。

【画像】東日本大震災支援・鯉のぼりプロジェクト_2014年度_新聞記事①